山陽電車に乗って商店街へ行こう! ~山陽姫路駅編~

歩いているだけでワクワクする商店街。
「山陽姫路駅」周辺には南北、東西にいくつもの商店街が延びています。
商店街が多い背景には、城下町以来の東西の道と、近代以降に生まれた南北の道が重なっていった歴史があります。

江戸時代に人や物が行き交ったのは、西国街道が通る二階町を中心とした東西方向。明治以降、鉄道の開通をきっかけに、駅と市街地を結ぶ南北の流れが生まれました。
1923年には山陽電車の前身である「神戸姫路電気鉄道」が「姫路駅前駅」を開業しています。

姫路市立城郭研究室によると、1903年に明治天皇の行幸路として御幸通りを整備。戦後は空襲で焼失した市街地の復興事業として国府寺小路を拡幅して大手前通りが造られ、1955年に完成しました。異なる時代の道と人の流れが交わり、その周囲に商店街が発展したのです。

今回は、山陽電車の若手社員が「おみぞ筋商店街」、「二階町商店街」、「本町商店街」を巡りながら、個性あふれる4店をご紹介します。

「山陽姫路駅」を出て、姫路城へ向かって北に歩きます。
駅周辺の商店街は、鮮魚店や青果店が軒を連ねる市場というより、飲食店や菓子店などが並ぶ、いわば「屋根付きのショッピングストリート」でした。
多くの人が行き交い、それぞれの商店街に異なる表情を感じます。

城下町の道筋を残す「おみぞ筋商店街」

みゆき通りの一本東側を南北に延びる「おみぞ筋商店街」

白銀しろがねの交差点が見えたら大手前通りを東に渡り、160メートルほど進んだ先にある「おみぞ筋商店街」。
明治期に新しく整備されたみゆき通りとは異なり、おみぞ筋商店街は城下町時代の細い道筋を受け継ぐ通りです。かつて道の脇に小さな溝があったことが、名前の由来とされています。
細い通りに店が連なり、店先の様子が歩く人へ近く伝わる商店街です。

姫路の伝統工芸品などを題材にしたタイルが施された路面
天井に設けられたモダンな照明が印象的

《おみぞ筋商店街》全国のそば粉と豊岡の野菜「手打蕎麦処 やえもん」

最初に訪れたのは「手打蕎麦処 やえもん」。
こだわりの手打ちそばや、そば茶を使った手作りわらび餅が名物の人気店です。

「おみぞ筋商店街」に店を構える「手打蕎麦処 やえもん」
ゆっくりと食事を楽しめる、落ち着いた雰囲気の店内

「手打蕎麦処 やえもん」のおすすめは、そばを中心に、刺身、天ぷら、ヒレカツ、かやくご飯などが付いた「やえもん定食」(1,680円)です。

「やえもん定食」(1,680円)

主役は、石臼ひきのそば粉を使った二八そば。
産地を一つに決めず、北海道、富山県、長崎県など、その時々で最も質のよいそば粉を厳選して仕入れます。「産地を限定すると、状態が良いときも悪いときも同じそば粉を使わなければならない」と語る店主の朝日光男さん。打ちやすさや切れにくさ、香りを自らの手で確かめているそうです。

手打ちにこだわり、そば本来の香りと力強い風味が魅力

お米は兵庫県産で、一部は朝日さんの実家がある豊岡のお米が使われており、夏には実家から届く採れたてのナスやカボチャなどが天ぷらになることもあるそうです。

大根、ごぼう天、ちくわを入れたかやくご飯は、温かいそばのだしで炊き上げます。
商店街から「姫路らしいご飯を作れないか」と相談されたことをきっかけに、姫路おでんの味付けを意識して考案された一品です。

「やえもん定食」には、名物の「手作り蕎麦茶わらびもち」も付いています。余ったそば茶を何かに活かせないかと考えられた一品。テイクアウトもできるので、お土産にもおすすめです。

打ちたて、湯がきたての本格的なそばが持つおいしさを、多くの方に知ってもらえると嬉しいです!ぜひご家族やご友人とお越しください。

店長の朝日光男さん

手打蕎麦処 やえもん

住所    :姫路市紺屋町77KJビル1FB
営業時間  :11:00~21:00(20:00L.O)
定休日   :月曜
電話番号  :079-281-9555
SNS    :https://www.instagram.com/yaemon0301/
アクセス  :山陽姫路駅徒歩約7分
席数    :24席

西国街道の歴史を受け継ぐ「二階町商店街」

旧西国街道に沿って東西に延びる道幅の広いアーケードの「二階町商店街」

「おみぞ筋商店街」を北へ進むと交わるのが「二階町商店街」。
道幅の狭いおみぞ筋商店街から風景が一変し、ゆったりと歩ける広い通りへ抜けます。
二階町商店街を通るのは、江戸時代の主要街路だった西国街道です。城下町の商業地としてにぎわってきました。

《二階町商店街》和菓子、洋菓子、洋食を一つの店で
「杵屋 にかいまち本店」

「杵屋 にかいまち本店」は1911(明治44)年創業。
二階町で、1926(昭和元)年から商いを続ける老舗の和菓子店です。
お店に入ると、ショーケースには色鮮やかなケーキがずらり。奥にはレストランもあり、和菓子、洋菓子、食事を一つの店で楽しめることに驚きました。
間口約5メートルに対して奥行きは約40メートル。城下町の町家に見られる細長い町割りを今に伝えるお店です。

迷ったら、お店の方に相談しながら品選びができる

お店にはケーキが約20種類、焼き菓子が約30種類。季節の和菓子もそろっています。
和菓子店として創業した同店は戦時中に創業者が亡くなり、2代目である先代が戦後に再興しました。

「物資の乏しい時代を過ごした先代は、食への憧れが人一倍強かったと思う」と3代目の内藤浩一さんは語ります。1950年代に洋菓子を始め、1960年代にはレストランも開き、和菓子から洋菓子、洋食へと店を広げていったそうです。

(奥)「プリンアラモード」(1,430円)/(手前)「昭和のナポリタン」(ダブル 1,628円)+「目玉焼き」(220円)

クラシカルな雰囲気のレストランは、純喫茶ブームやレトロブームで若い人からも人気だそうです。おすすめは開店当時から人気の「昭和のナポリタン」(ダブル 1,628円)に「目玉焼き」(220円)のトッピング。ケチャップの甘酸っぱさが食欲をそそります。ハム、ピーマン、タマネギの食感とモチモチ麺の相性も良く、トッピングの目玉焼きでリッチな気分に。

「プリンアラモード」は、自家製プリンと飾り切りしたフルーツの、豪華で愛らしい見た目に、思わず写真を撮りたくなるビジュアル。
プリンは甘さがほどよく、フルーツの酸味が爽やかな一皿です。

和菓子作り体験 1人2,800円(税込)HPから要予約

また職人さんの手ほどきを受けながら季節の上生和菓子を作る「和菓子作り体験」も行っています。この日は、9月の上生和菓子「桔梗」を教わりました。
自分の手で和菓子を形にすることで、姫路で300年もの間、受け継がれてきた菓子文化と、職人さんの繊細な技を身近に感じられる体験となりました。

エスコート編集部B
エスコート編集部B

ライターから一言

職人さんの滑らかな手さばきを見ていると一見簡単そうに感じましたが、力加減や形のバランスが難しく、職人技の奥深さを実感しました。完成した上生和菓子を口に運ぶと、上品な甘さとともに、自分で作った達成感も味わうことができました。

「杵屋」のお菓子は、姫路に伝わる『播磨国風土記』にある物語や名所をモチーフにしています。姫路の歴史とともに歩んできた「杵屋 にかいまち本店」で、ぜひ和菓子作りもお楽しみください♪

代表取締役の内藤浩一さん

杵屋 にかいまち本店

住所  :姫路市二階町95
営業時間:8:00~17:00
     モーニング 8:00~11:00
     ランチ 11:00~売り切れ次第終了
定休日 :なし ※1月1日、2日のみ休み
電話番号:079-285-3509
SNS  :https://www.instagram.com/kineya_official/
アクセス:山陽姫路駅徒歩約9分
席数  :約100席

姫路城へ続く「本町商店街」

みゆき通りの延長線上にあり、姫路城へと続く「本町商店街」

「二階町商店街」から再び北へ。
今回巡る三つの商店街の中で、姫路城に最も近い「本町商店街」へ向かいます。
近代的な駅前の佇まいとは異なり、アーケードの天井や建物などにレトロな趣が色濃く残っています。

《本町商店街》姫路のブランド卵をお土産に「たまごや厨房」

本町商店街の南側の入り口すぐにある「たまごや厨房」。
姫路市内の自社農場で生産する卵と、その卵を使った商品が並ぶ直営店です。
こちらでお土産を購入します。

今回、お土産に選んだのは、看板商品の「寅巻き厚焼き玉子」(900円)。その名前の由来は、表面の虎模様のような焼き色。関西風のだしを利かせながら、厚みと焼き色を付けて店内で1本ずつ手焼きします。厚焼き玉子1本に自社ブランド卵「夢そだち」を8個使用しています。
「夢そだち」は、姫路市夢前町と飾東町の自社農場で生産され、鶏舎にモーツァルトを流すなど、鶏が落ち着いて卵を産める環境づくりにも取り組んでいるそうです。

(奥)「穴子弁当」(1,600円)/(手前)「寅巻き厚焼き玉子」(900円)/(右奥)「姫ぷりん」(250円)

おすすめの「穴子弁当」(1,600円)は、注文を受けてから香ばしくあぶる穴子と名物の厚焼き玉子がマッチする逸品です。

また、「夢そだち」を使った「姫ぷりん」(250円)は、なめらかな口当たりに、卵のまろやかなコクとやさしい甘さが広がります。

「夢王」(1,080円)

「たまごや厨房」では生卵も購入可能。
海藻やニンニク、梅の実、緑茶粉末など31種類の原料を配合した餌で育てたブランド卵「夢王」(1,080円)は、卵かけごはんなど生食がおすすめ。赤みがかった黄身が特徴で、濃いうま味とコクが感じられます。

まずは、生で食べてもおいしい姫路のブランド卵を味わってみてください。厚焼き玉子やプリンなど、お気に入りの卵の食べ方を見つけてもらえたら嬉しいです。

スタッフの平野真央さん

たまごや厨房

住所    :姫路市本町5-68-9
営業時間  :11:00~15:00
定休日   :水曜
電話番号  :079-280-1650
SNS    :https://www.instagram.com/tamagoyahimeji
アクセス  :山陽姫路駅徒歩約10分

《本町商店街》姫路で生まれた「わらび餅専門店 門藤かどふじ」

わらび餅を使ったスイーツやドリンクなど多彩なメニューが揃う

商店街めぐりの最後に訪れたのは「わらび餅専門店 門藤 姫路本店」。
2021年に開店し、2026年9月現在全国に20店舗を展開中のわらび餅専門店。テイクアウトでもイートインでもわらび餅を味わうことができます。

「3種の小舟(ふくゆたか・黒ごま・深煎り)」(550円)

同店のわらび餅は国産の本わらび粉をブレンドし、弾力とのど越しを追求しています。
おすすめは、3つの異なるきな粉のわらび餅が気軽に楽しめる「3種の小舟」(550円)。
佐賀県産大豆の甘みを感じる「ふくゆたか」、香ばしい「深煎り」、異なる食感の黒ごまをあわせた「黒ごま」の食べ比べができます。わらび餅が弾むような歯触りを残し、なめらかにほどけていきます。それぞれのきな粉には砂糖を加えず、大豆や黒ごまが持つ風味を生かしているそうです。

「安納芋のモンブラン風 生クリームわらび餅」(600円)
※10月1日から発売 なくなり次第終了
「WARABI-TA 抹茶ラテ」(750円)

秋には、「安納芋のモンブラン風 生クリームわらび餅」が登場。
ふくゆたかのわらびもち、エスプーマ(生クリーム)、安納芋のペーストを重ねた季節限定商品です。安納芋のペーストには砂糖を加えておらず、安納芋の自然な甘みが楽しめる一品。

さらに「WARABI-TA(わらびもちドリンク)」もおすすめ。
「WARABI-TA 抹茶ラテ」(750円)は、注文を聞いてから細かく刻んだわらび餅に宇治抹茶とミルクを注ぎ、エスプーマを乗せた一品。飲む時は、ドリンクの層がなくなるまでしっかりと混ぜていただくのがポイント。宇治抹茶の風味とまろやかなミルク、やわらかく甘いわらび餅が絶妙にマッチします。

店内にはイートインスペースもあり、藤の花はフォトスポットにもなっています

当店は姫路で生まれたわらび餅専門店です。姫路城など観光の際の休憩スポットとして、弾力とのど越しにこだわった本わらび餅を味わってください。

わらび餅専門店 門藤

住所    :姫路市本町68-24-1
営業時間  :3月1日~10月31日 11:00~18:00
       11月1日~2月28日 11:00~17:00
       土日祝のみ通年 10:00〜18:00
定休日   :不定休
電話番号  :079-284-1318
SNS    :https://www.instagram.com/warabimochi_kadofuji/
アクセス  :山陽姫路駅徒歩約11分
席数    :8席

本町商店街側から眺める姫路城

細い道筋を残す「おみぞ筋商店街」、西国街道の歴史を受け継ぐ「二階町商店街」、姫路城のお膝元である「本町商店街」。
ひと続きに歩ける距離でありながら、それぞれに異なる成り立ちと景色があります。駅から姫路城へと向かう道そのものが、姫路の歴史と味をたどる贅沢な散策ルートになっています。

老舗の歩みと新しい店の挑戦に触れ、見慣れた商店街が少し違って見えた一日。
姫路にお越しの際は、縦横に延びる商店街を巡りながら、それぞれの街並みの違いに目を向けてゆっくりと街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回訪れたスポットまとめ

※2026年9月8日(火)現在の情報です。

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