70年以上地元で親しまれてきた老舗から、ニューオープンした話題のベーカリーまで、足を延ばしてでも訪れてみたいお店をピックアップ。山陽電車に乗って、お気に入りのパンを探しに行こう。

【信頼の老舗】
長年愛される懐かしさが心に沁みる定番パン

素材の味が引き立つ惣菜パンが新定番

kimurayaキムラヤ

創業1954年。あんぱんの元祖「銀座木村家總本店」から暖簾分けし、現在は3代目の大橋さんが須磨寺前商店街で切り盛りするお店『kimurayaキムラヤ』。

なめらかな口溶けのために、国内外の小麦をミックスした生地を1日じっくり寝かせるなど、丁寧なパン作りは創業時から変わらない。バニラ風味のクッキー生地で仕上げたサンライズ（200円）も好評。

カレーパンの驚くほどカリカリな生地の中は、濃厚な甘めのルゥを使用。子どもも食べやすい。

いつまでも心に残る懐かしいパンの味

高砂食品

創業1931年。高砂市内の学校給食でパン製造も担う工場兼ベーカリー『高砂食品』。「パンは生き物」と謳う4代目オーナーは、しっとりかつふわふわとした口当たりとミルキーな風味を求め、温度･湿度によって生地の仕込みを調節するなど、繊細な心配りを欠かさない。

おすすめは、ほんのり甘みがあり耳までやわらかい甘食の食パン。

過去に高砂市民プールでも販売していた、子どもたちに大人気の揚げパン。

LITTLE MERMAIDリトル　マーメイド 垂水店

1972年に1号店が生まれた『リトルマーメイド』。垂水店は1993年に開店した山陽沿線で唯一の店舗で、山陽垂水駅に直結。

この時期おすすめのサマーアップルパイは、シャキシャキ食感のリンゴ「シナノゴールド」に、酸味のあるアップルソースとヨーグルトペーストをプラス。隠し味にカルダモンを使用した、爽やかなアップルパイをぜひ。

【話題の新店】
今注目される多国籍な個性派パン

世界各国のパンを神戸で味わう

BAKERY K-PORTベーカリー　ケイポート

2024年3月27日にオープンした『BAKERY K-PORTベーカリー　ケイポート』。

台湾出身のパン職人である呉さんは、台湾、上海、神戸で5店舗のベーカリーを経営。豊富な知識をもとにアレンジした世界各国のパンをカウンタースタイルで提供する。

台湾発祥の「爆弾パン」は、カリッとした生地の中にシュガーバターを包んだ甘めのパン。パリッと香ばしいイタリアンクロワッサン（220円）も人気で、開店30分後に売り切れることも。

フランスの代表的な焼き菓子「カヌレ」。ラム酒の香り、表面の苦味がポイント。

パンで感じるイタリアの風

PANE CAVALLOパーネ　カヴァロ

2023年12月5日にオープンした『PANE CAVALLOパーネ　カヴァロ』。

「おいしく身体に優しいものを届けたい」とオーナーの吉村さん。生地は8種類の国産小麦粉を独自にブレンドし、具材やソースまで自家製にこだわるなど、食材選びから作り方まで妥協がない。イタリアパンが得意で、オリーブオイル入りのしっとりしたチャバタのサンドなど約40種類が店内に並ぶ。

ハムサンドはハーブを入れたソミュール液に漬けて低温調理したハムを贅沢に挟んだ一品。

フォカッチャの上に兵庫県産の旬の野菜をのせて焼いたピッツァ。

技が光る本格派なドイツパン

Bäckerei Neussベッカライ　ノイス

2023年12月15日にオープンした『Bäckerei Neussベッカライ　ノイス』。自宅の一角を改装したカウンタースタイルのお店には、ドイツのノイス市で2年半修業を積み、パンの国家資格を取得したパン職人の中谷さんが作るドイツパンがズラリ。

ライ麦の全粒粉を使った生地に、オートミールなどの穀類を練り込んだ「メアコーンブロート」は、酸味のきいた奥深い味わい。

「ブレッツェル」はカリッとしたり、むっちりしたりと部位によって食感が異なる。