
住宅街の一角にある小さなお店。国産小麦や天然酵母を使い、素材の持ち味を活かした約30種類のパンがショーウィンドウにずらりと並ぶ。店主は、立本翔子さん。


2020年9月、自宅の一階を改装し開業した。
高校生の頃からパン屋さんに憧れを持ち、17歳からベーカリーでアルバイトとして働き始めた。経験を重ねながら、自宅でもパンを焼き、独学で知識と技術を磨いてきたという。
振り返れば、人生の半分をパンと向き合ってきた。「毎日続ければ、苦手なこともできるようになる」という。最初に働いたお店で教わった言葉を胸に「学校の試験の日も休まずパンを作っていたんです」と自身の10代を振り返る。


お店で使用するのは、主に北海道十勝産を中心とした国産小麦。パンの種類に応じて粉を使い分け、オーガニックの全粒粉や国産ライ麦も取り入れる。酵母は、ドイツ産の有機穀物由来のものと自家製酵母をブレンドし長時間発酵。時間をかけて発酵させることで小麦の香りや風味を引き出している。
店主自身の経験から、農薬や添加物にも目を向けるようになり、可能な限り無添加の材料を使用している。「一番にあるのは、安全とおいしさです。それを守った上で、できるだけかわいく、きれいな形のパンにしたい」と語る。
素材にこだわるほど、生地は扱いにくくなるという。国産小麦や天然酵母の生地は膨らみ方が安定しづらく、気温や湿度によって発酵時間も変わる。それでも日々、生地を見極め、形にするのが職人の腕の見せどころだと試行錯誤を重ねる。

一番人気の商品は純正菜種油で揚げた「ブリオッシュドーナツ」(240円)。生地を軽く揚げ、ふんわりした食感。続いて人気の「チョコブレッド」(360円)は、ブリオッシュ生地にクーベルチュールチョコの甘みがしっかりと感じられる。

「自家製クリームパン」(270円)は、なめらかな自家製カスタードがたっぷり。「お野菜パン」(120円)はホウレンソウなど、季節に応じて使用する野菜が変わり、野菜が苦手な子どもでも食べやすいと好評を集めている。シンプルな「契約栽培小麦の丸パン」(120円)は小麦の素朴な甘味を感じる、軽やかで優しい味わい。

「ロブロ」とは、デンマークで1000年以上の歴史を持つ、伝統的なライ麦パン。
同店の「ロブロ」は、国産のライ麦を使用しており、ライ麦パンの特徴である酸味が少なく、もっちりしっとりとしていて、噛み締めるほどに風味が広がっていく。
旬の食材を使い、季節ごとにフェアを開催。秋にはブドウやリンゴ、栗などを使った限定商品も登場予定。


お店の前には、24時間購入できるパンの自動販売機を設置している。営業時間外や定休日にも利用でき、お得なパンの詰め合わせや限定商品や新作などが並ぶ。早朝の散歩途中や仕事帰りに立ち寄る方もいて、しっかりと地域の暮らしに溶け込んでいるそうだ。
店名の「ぶれっふる」は「bread」と「full」を組み合わせた造語で「パンで心とおなかを満たしたい」との思いが込められている。
「赤ちゃんから高齢者まで、安心して食べられるパンを届けたい」という思いを胸に、立本さんは今日も大好きなパンと向き合っている。
※9月8日(火)現在の情報です。
お店の人からの一言
お客さまの健やかな未来と笑顔を想像しながら、美味しく健康になれるよう、常に食材選びや製造工程にこだわっています。
ぜひ一度、お立ち寄りください。


ライターから一言
ティータイムのおともは、手作りのオーガニックラスク(250円)がおすすめ。抹茶やココアなどのフレーバーラスクや、サクサク食べられるチェダーチーズのラスク(320円)も。プチギフトにも喜ばれそうです。