姫路市内で創作居酒屋を展開する「食菜家うさぎ」が運営。福永欽弥社長は先代の父が築いた礎を守りながら、飲食業に携わって24年。日本全国のいろんな名店を食べ歩いてきた知識をベースに、社長お気に入りのインテリア、音楽、料理を集めた「喫茶店以上、ジャズ喫茶未満」の空間として、2022年4月にオープンした。


自慢のカレーは20代半ばに東京・原宿で何度も通ったカレーの味が忘れられず、調べていくと本店が九州にあることがわかった。そのため、出向いて食べて、テイクアウトもして分析し、1年以上かけて思い出の味を再現。壁のブルーは喫茶店とカレー店を視察していた際に内装を寒色でまとめた店に出会い、飲食店なのによくマッチしていることに驚き、感動したことがきっかけとのこと。
入り口すぐのロングテーブルはデスクワークにも使えるようコンセントを配置した。ソファ席ではゆっくり音楽を聴きながらくつろいでもらう。奥の対面席ならベビーカーもOKという具合に「世代を問わず、誰もが思い思いのひとときを過ごせる場所」を目指して、老若男女さまざまに利用してもらえたらという願いをこめてこの空間を創り上げていった。


福永社長は「名店はこの職人さんでないとこのおいしさが出せないという傾向にあるが、それではお店自体が先細りになるのでは」と感じ、誰もができる業態を模索。その一環として、「食菜家うさぎ」では月に1回テーマを決めて十数人の職人たちを集め、洋食担当が和食にチャレンジするといった他ジャンルの取組みでメニューを開発してきた。スタッフはもちろん、外部の人たちにも試食をしてもらう取組みで、盛り上がるのがデザートだった。クオリティーが高く、試作として埋もれさせるには勿体なく、メニューとして提供するようになった。

看板となったのは和食職人がつくった「イタリアンプリン」(605円)。しっかり焼き上げたタイプで、イタリアでデザートに用いられるマスカルポーネチーズがほのかに香り、カラメルの苦味がほどよく、食べ応えも十分ある。
「喫茶フクナガ」ではアップグレードさせ、季節のフルーツ、ラム酒をふんだんに加えた焼菓子カヌレを盛り合わせた「魅惑のプリンアラモード」(1,188円)が誕生。盛り付けるなら昭和レトロな器をイメージしていたが、理想の品はすでに廃版。それでも妥協せずに根気強く探し歩いた末に、ようやく現在の器へとたどり着いた。
隅々にまで散りばめられたこだわり。それを見つけるのも、この店を訪れる楽しみのひとつかもしれない。
※2026年5月12日時点の情報です

ライターから一言
デザートは他に、店内で焼き上げるシフォンケーキ、フルーツとチョコのパフェ、5色のクリームソーダと多彩。ブレンドコーヒーをはじめとするドリンクには、フードロスの観点から砂糖・ミルクはつけていない。必要な人は注文時に伝えよう。