多角形の建物に本と人が集う 駅前の新名所 <神戸市立垂水図書館>

多角形の外観が目をひく「垂水図書館」

山陽垂水駅に着く直前、車窓から外を眺めていると、特徴的なデザインの建物が視界に入る。建物の正体は「垂水図書館」。2025年9月、隣のレバンテ垂水内から移転・新築された新しい図書館だ。モダンな外観に、建築好きとしての心が弾む。西側の階段を上り、館内に足を踏み入れてみよう。

小説から実用書、児童書まで約12万冊を所蔵する

駅から徒歩2分の好立地に位置する垂水図書館。「人と本の『みなと』」として、「全ての方向に向けて開かれた図書館」を表現しようと、どの方向から見ても裏がなく、正面になるように建物を設計した。時代の流行に左右されず、長く愛される外観とするため、色合いはシンプルにまとめている。明るい館内では、多くの本が来館者を出迎える。

2階南カウンター席からは電車も見える

「地域の情報拠点として本が集まる、人が集まる。そして交流が生まれる場所にしたいという願いを込めています」と話すのは、高田綾子(たかた・あやこ)館長だ。
ここは本との出合いを大切にする図書館として、赤ちゃんからシニア世代まで、多くの人が日々利用している。特に移転後は、3階フロアに学習スペースを新設。パーティション付きの机を含め、40席用意している。完全予約制で、1回の予約につき最大2時間利用できることもあり、学生の利用が増えたという。

多くの座席が並ぶ学習室。当日に空きがあれば予約も可能

また、同じ階は児童書のフロアになっており、「おはなしひろば」ではおはなし会などのイベントも実施している。「イベントを通じて、子育て中のお母さん同士の交流もあります」と館長補佐の村上智子(むらかみ・ともこ)さんは話す。

靴を脱いでリラックスした環境で読書ができる「おはなしひろば」
子どもでも本を手に取りやすいよう、本棚は低めに設計されている

各フロアを歩いていると、床材が違うことに気づく。2階はフローリング材、3階はクッションフロア材、4階屋上はゴムチップ材になっている。「目が見えない人でも足の感触だけで、自分がどの階にいるか分かるようにしています」と村上さん。エレベーターを完備し、段差もない。さらに、このような気配りも随所に施されている。また、ハンディキャップのある人にも本を楽しみ、親しんでもらえるよう、点字本のほか、コミュニケーションボードなども用意。全ての人に向き合う図書館であることが感じられた。

点字付きの本など、バリアフリーに配慮した本も取りそろえる
指さしでコミュニケーションがとれるボード

フロアを上がると、屋上にも出ることができる。緑豊かな庭園が来館者を出迎え、海から入る爽やかな風が心地よい。ここでは読書も可能だ。木漏れ日の下でお気に入りの一冊を開く時間は、贅沢な過ごし方ではないだろうか。視線を外に向けると、明石海峡大橋と青空が目に入り、気持ちまで晴れやかになる。

梅雨の晴れ間に外での読書も良い
約2キロ先の明石海峡大橋の主塔が目に入る。それにしても大きい

移転後は前と比べ3倍の面積になり、本の数も座席の数も大幅に増えたという。高田館長は「本と人、人と人をつなぎ、そこから輪が広がるように。地域の人と一緒に育てていける図書館にしていきます。ふらっと遊びに来てみてほしい」と話す。駅から近く、お出かけのついでにも立ち寄りやすい垂水図書館。お気に入りの一冊を探しに、ふらっと訪れてみてはいかがだろうか。

垂水図書館を案内してくださった高田館長と村上館長補佐
図書館の前は「垂水駅前東広場」。ここではマルシェやお祭りなどのイベントも開かれるという
館内のカーテンの柄がかわいらしく目に留まる。名物の「イカナゴ」をモチーフにしている。イカナゴのくぎ煮が食べたくなりました
本はカード1枚につき10冊まで借りられる。貸出期間は2週間。新しい本に出合いに、図書館へ足を運んでみてはいかがだろうか
図書館が閉まっている時間帯は、本の返却は1階のポストでも可。市内にある全12カ所の図書館でも返却できる。便利で助かるポイント
エスコート編集部
エスコート編集部

ライターから一言

席数が多く、特に屋外でも本が読めるので、ゆったりと自分だけの時間に没頭できるのが個人的に嬉しいポイントです。フロアごとに違った表情を見せてくれるので、ぜひその日の気分に合わせて、本とともに心地よい時間を過ごしてみてください。

※2026年6月3日時点の情報です

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